コロナが収束し始め、海外旅行客も増え始めたことにより、かねてより問題として取り上げられていた深刻な人手不足がさらに問題視されている日本のホテル業界。
そんな中、人手不足問題の解決やお客様の宿泊体験向上のため、ロボットによる接客や客室へのキーレスエントリーなど新たなホテルの形が生まれつつあります。
国内外の旅行者が増えたことにより、観光業の需要が再び高まった昨今。ホテル業界は喉から手が出るほど人手を求めている業界にも関わらず、待遇面での満足度が低いこと、離職率が高いことが課題となっています。
夜勤や早朝シフトなどの長時間労働や、休日が少ないことからワークライフバランスを保ちづらいことが原因で人手不足問題がおこっているとされるホテル業界。
その解決策として挙げられるのが「AIなどのテクノロジーの活用」です。
また、今日、ホテル業界は単なる「宿泊」だけではなく、「経験」を提供する時代へと確実に変わって来ています。テクノロジーの力を使ってお客様により過ごしやすい宿泊体験、より楽しんでいただける取り組みなどがホテルでも広がっています。
本記事ではテクノロジーがホテルでどのように活用されるのかやホテル業界のどんな課題を解決するのかに焦点を当てて、ハイテクで面白い国内ホテル5つをご紹介いたします。
テクノロジーの発達した現代に生きる私たちは、小さい頃に漫画や映画の中で憧れた世界を自分で体験できるかもしれません。
それではぜひ一緒に見ていきましょう!
1. 顔認証で楽々チェックイン!次世代型ライフスタイルホテル「sequence」
三井不動産グループが展開する宿泊施設「sequence」ではチェックインカウンターにたくさんのタブレットが並んでおり、タブレットを操作しながら簡単にチェックインを済ませることができます。お部屋の鍵はカードキーか顔認証が選べるため、外に出た時に「カードキーを忘れた!」と焦る心配もありません。
さらに、アプリを通じて事前に自身の顔画像を登録しておけば、当日はホテルスタッフの対面での手続きを行わずに顔認証でセルフでチェックインが可能!
チェックイン時に長〜〜い列を待つ必要がないためお客様のストレスを解消し、フロントデスク要員の負担を大幅に減らすことができます。チェックアウトは、客室の中のタブレットで手続きが済むため、スムーズでスマートな滞在を提供します。
また、チェックインからチェックアウトまで全ての手続きを非対面で済ませることが可能なためコロナ対策も心配ありません。
2. ギネスにも登録された人間がいない「変なホテル」
世界初のロボットホテルとして注目を集めている「変なホテル」は、ロボットがスタッフとして働き、お客様にサービスを提供する日本初のホテルと言われています。
地方都市では人材不足の傾向が都心部よりも強く、長崎県に位置するハウステンボスはロボットなどを使って無人化や自動化を実現することで人手不足を解消しようと考えた。
チェックインからチェックアウトまで人と一切会話することなく過ごすことが可能であり、変化と進化を続ける「変なホテル」。
ロボットポーターは、お客様の荷物を部屋まで運び、専用のロッカーに保管してくれます。また、部屋に置いてあるチャットボットを使えば、ホテルのスタッフが不在でもインスタントメッセージングサービスを通じて24時間365日のサポートを提供することができます。
人型ロボットや恐竜ロボットなどによるサービスは、人手不足問題の解決だけでなくお客様を楽しませるエンターテイメント性も兼ね備えています。ギネスにも登録されたことにより、国内だけでなく国外からもお客様が宿泊しに来ている、おもしろハイテクホテルです。
3. 部屋で映画館気分を楽しめる「/slash 川崎」
コンパクトながらも従来のホテルの常識に囚われない空間設計と、テクノロジーを活用した機能デザインにより、格安の料金ながらも驚きと発見に溢れた滞在を演出。
客室内のベッドは電動でリクライニング。リモコンひとつでベッドモードとソファモードに切り替わります。
全部屋にはプロジェクター&スクリーンが設置されており、自分のスマートフォンをプロジェクターに繋ぐことができるので、映画やドラマ、アニメはもちろん、YouTubeの動画も楽しめます。
客室内にはiPhoneを装備しており、客室の内線電話としてご利用頂ける他、室内の電動スクリーンとベッドを操作するリモコンとしての機能も。
スマートなテクノロジーを備えた部屋であるスマートルームは、お客様に利便性を提供し、ゲスト体験を向上させることができます。
4. アート×音楽×テクノロジーをコンセプトとした「アロフト・ホテル」
「マリオット・インターナショナル」が手がけるスタイリッシュなホテルチェーン「アロフト・ホテル東京銀座」ではブランドのDNAであるハイテクをホテル内で多く取り入れています。客室では、ゲストのスマートフォンやApple Watchをルームキーとして使い、従来のルームキーを必要としないキーレスシステムを採用しているため、鍵を探す手間が省け入退室が簡単に。
ダブリン/プレザントンに位置する同ホテル系列ではアレクサを導入しており、天気予想や音楽お客様の滞在経験をさらに楽しいものにします。また、スマホからルームサービスなどのリクエストを送るとロボットのバトラーがすぐにタオルや洗面用品などを届けてくれるます。
テクノロジーによってお客様に過ごしやすい宿泊体験を提供するだけでなく、エレベーターホールのプロジェクションマッピングなど「テクノロジーとデザイン」で都心の非日常感を味わうことができます。
5. VRでコロナ中でも旅館のサービスを擬似体験!?「てしま旅館」
新型コロナウイルスの影響でキャンセルが多発してしまい、多くのホテルがコロナ禍での経営に苦しみました。
コロナの影響でキャンセルせざるを得ないお客様のために、山口県のてしま旅館ではリアルな宿泊を体験できる『VRてしま旅館&福ふく会席』プランを提案。
このプランは、自宅に居ながら旅館のサービスを疑似体験、さらに本格会席を食べられるというもの。コロナ渦で話題になった「ステイケーション」を自宅で体験できるという新しい試みです。
このプランを選択した方は、温泉やお部屋の様子をシチュエーション毎にVR体験(YouTube配信をVR用ゴーグルで視聴)できるほか、名物のふぐ会席(鉄刺、身皮焼き、てっちりなど)を自宅で調理し食べることができます。
コロナの影響で旅行やホテルへの宿泊への制限は厳しくなりましたが、その中でもお客様を楽しませるため、自宅にいながら旅館気分を味わえる、新感覚の宿泊体験をテクノロジーの力で実現することもできるのです。それだけでなくこのような新しいテクノロジーの活用によってブランド認知度は増加し、ホテル自体の収益増加にもつながります。
最後に
ホスピタリティ産業の最終的な目標は、お客様の満足度を高めることです。テクノロジーでの自動化を行うことは、常にサービスを向上させることにつながります。ホテルは、さまざまなニーズに対応するために、ますますテクノロジーに目を向けるようになっており、顔認識によるチェックイン、完全なロボットスタッフによる接客などとまるでSF映画のような世界を体験することも、もはや夢物語ではありません。
テクノロジーによって仕事を効率化し、スタッフがその他のおもてなしに注力できるようになることでホテルはさらに成長し、より豊かなゲスト体験を提供することができます。
Aielloの開発するAIコンシェルジュは、スタッフの負担軽減、より良いマーケティング効果(画面広告)によるコンバージョン促進、宿泊客の行動分析といった3つの観点からホテルを支援するAIシステムです。